この「NZ便り」は、NZから日本の友人に宛てた手紙をまとめたものです。
ニュージーランドってどんな国?
6年間の駐在と多くの滞在経験を活かし、NZの魅力をお届けします。
<注記>
この記事は、2004年~2005年に書いたものです。現在のニュージーランドと異なる場合があります。予めご了承ください。
今回は、ニュージーランドの交通の話です。
ニュージーランドの交通事情
ニュージーランドブルー
昔、マツダの車の色に「東京ホワイト」という色がありました。
真っ白ではなく少し灰色がかった白でした。
当時東京の空はスモッグで汚れていて、それを皮肉った表現でした。
そういう意味で言うと、「ニュージーランドブルー」があるとすれば、それはとてつもないブルーです。
透明な水に青いインクをたらしたような、抜けるようなブルーで、空気が澄んでいるせいか、そんなブルーが空にそして海に一面に広がっています。
当地の新聞社で写真用に一番使うインキはブルーではないかと勝手に決めつけています。
車もそんなブルーを背景にした赤いオープンカーが良く似合います。
ほこりがないため屋根がなくてもシートは汚れず、これまたニュージーランドにぴったりです。
爽快なドライブ
車といえば、私が当地に来て非常に気持ちの良いことの一つに、車の運転があります。
道幅が広く、信号はそれほど多くなく、どこにいってもすいすい走れ、ストレスは全くありません。
車での旅行も爽快です。
渋滞が無く、距離を時速で割ると正確に所要時間が出てきます。
オークランドから南北にステート・ハイウエーという国道1号線が縦断しています。
ありがたいことに高速料金は一切かかりません。
この1号線を離れ、地方に向かうと道は狭い2車線になります。
こんな道でも制限速度は100km/hで、これを各車120km/h以上の高速でぶっ飛ばし(もちろん交通違反ですが)、時々追い越しに失敗し正面衝突をしています。
まわりには羊や牛しかいない田園の中、高速で走る気分はまことに爽快です。
オークランドの渋滞
しかし、そんな天国も最近はずいぶん変わってきたようで、今の私には縁のなくなった通勤時間帯では、ここオークランドのハイウエーでも毎日大渋滞が発生しているとかで、大きな問題になっています。
人口が2~30万人増え、車の数が増えたことが原因で、第2・第3の都心乗り入れハイウエーの建設が叫ばれていますが、どこを通るかで前に進まないようです。
列車とバス
通勤手段としては、他に列車とバスがありますが、利用する人が少なく、大半が車での通勤です。
私も駐在時代、列車やバスなどに乗ったことがなく、その乗り方さえ知りませんでした。
今でもほんの一握りの貧しい人々が利用している感じで、本数も少なく、1時間に1〜2本といった路線が大半です。
しかし、こんど旅行でやってきて列車やバスにずいぶんお世話になっています。
特に列車は2年前、オークランドの中心に近代的な地下駅が完成し、都心まで乗り入れるようになりずいぶん便利になりました。
近郷の町まで1時間に1本か2本出ていて、2両連結のディーゼルカーが単線をトコトコ走っています。
オークランド駅以外のどの駅も無人駅で、各車両に1名、2両編成なら計2名の車掌が乗っており、駅に止まって客が乗ってくるとすばやくその客の前にやってきて切符を売るといったシステムで、ずいぶん人件費のかかる経営です。
先日乗った時などポイント切り替えにミスがあり、左に行くべきところを右に行ってしまい、また元に戻って出発し結局10分も遅れましたが、車掌は何の説明もせず、空いたイスにのんびり座っていました。
これでは利用者も増えないなあと唖然とした次第です。
旅行者におすすめの列車の旅
オークランド駅からは1日に2便、首都ウエリントン行きの長距離列車が出発します。
朝9時15分に出発する特急列車と、夜8時25分発の夜行列車です。
いずれも約600kmの行程を11時間かけて走ります。
朝の便では昼ごろになると途中のとある駅で30分停車し、昼食を取ります。
まことにのんびりとした列車の旅です。
こちらでは鉄道のことを「スネークロード」と言うそうです。
今ならトンネルでまっすぐ突き進むところを、山肌をくねくねと迂回しながら、まさに蛇のごとく進んでいきます。
飛行機が発達した現在、利用者はもっぱら旅行者で、こちらではよほどの人でない限り利用していないようです。
ニュージーランドにもう一つ旅行者に利用の多い路線があります。
南島の東岸クライストチャーチより西岸のグレイマウスにいたるアルパイン・ルートで、島を東西に横断しています。
夏でも雪をいただくアルプスを見ながらの4時間はまことに快適で、時間があればこんなゆっくりした旅をするのも昔に戻るようで興味は尽きないと思います。
それでは今日はこの辺で・・・・。
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