この「NZ便り」は、NZから日本の友人に宛てた手紙をまとめたものです。
ニュージーランドってどんな国?
6年間の駐在と多くの滞在経験を活かし、NZの魅力をお届けします。
<注記>
この記事は、2004年~2005年に書いたものです。現在のニュージーランドと異なる場合があります。予めご了承ください。
明けましておめでとうございます。
真夏のニュージーランドでも、新しい年を迎えました。
今回はNZの人たちの年末・年始風景をお届けしようと思います。
ニュージーランドの年末年始の風景
年末年始の夏休み
12月に入ると夏の盛りのNZでも、クリスマスムードが徐々に高まってきます。
町の百貨店の入り口には、暑苦しい赤い服を着た、大きなサンタさんの張りぼてが掲げられ、あちこちの店のウインドーにもX’masの飾りつけが増えてきます。
学校は12月10日頃から1月末まで夏休みに入ります。
そして大人たちも一部の人を除いて、20日頃から約一ヶ月の夏休みを取り、家族ぐるみで、ヨットに旅行にと夏をエンジョイします。
駐在時代、仕事の相手が休みに入ってしまい毎年往生しました。
日本では誰かがカバーし、少なくとも交代で休みを取りますが、こちらは豪快です。
東京より返事を督促され相手に電話するものの、秘書の「夏休みでいません」の一言で、仕事は完全にストップし、お手上げでした。
賑やかに祝うクリスマス
やがて25日が近づいてくると主婦たちは忙しくなります。
街のスーパーは買い物客でいっぱいになり、「どうしてそんなに」と思うほど食料品を買っていきます。
ちょうど日本のお正月と同じで、クリスマス・イブは大晦日で、そして25日がお正月に相当するようです。
クリスマスディだけはすべての店がお休みになり、例えば年中無休の博物館もこの日だけは閉まります。
各家庭では別々に暮らしていた子供たちも帰ってき、賑やかにクリスマスを祝います。
この日、日本人仲間でゴルフをしましたが、ゴルフ場はがらがらでプレーしているのは、数人の白人(おそらくキリスト教でないユダヤ人か?)と、東洋人だけでした。
普通の休日と変わらないお正月
26日はボクシングデイでこれまたお休みです。
スペルは「Boxing Day」と書きますが、昔初めてこの日を知った時、なぜ「拳闘」の日がありお祝いするのかと非常に不思議に思いましたが、これはクリスマスにもらった「箱(box)を開ける日」という意味だそうで、これも英国の古いしきたりが残っているものと思います。
そしてクリスマスが過ぎると日本ではいよいよ本番のお正月ですが、こちらではお正月は休みになるものの、普通の休日と変わらない、まったくあっけないものです。
何の行事もなく、我々日本人にはさびしい限りです。
しかし、日本のビジネスマンにとっては一年のうちで唯一日本からのメールもない静かな休日となり、旅行に、ゴルフにと、ロングホリディを満喫します。
毎年NZではこの時期になるとポフツカワの木が真っ赤な花を咲かせます。
ここの人たちはこの木のことをクリスマスツリーと呼んでいます。
NZ全土で見られ、抜けるような青空に赤い花がそれは見事に調和し、この花が咲くと夏が来たと実感します。
そして紫の美しい花を咲かせるジャカランダも見事です。
この木は桜と同じく葉のない枝にまず花が咲き、その花が散りだすと緑の葉が出てきます。
1年を振り返って
1年を評価するとき、NZではヨットとラブビーの話がしばしば取り上げられます。
昨年は、NZにとってはあまり良い年ではありませんでした。
年の初めに、ここオークランドであったアメリカズカップ(ヨット)ではスイスにカップを持っていかれ、そしてつい最近行われたワールドカップ(ラグビー)では、当国最強のオールブラックスも敗れ優勝を逸しました。
当地の人々の落胆は相当なものですが、しかしどうした訳か輸出は好調でNZドルは強く、我々旅行者には嬉しくないといったら失礼になるかも・・・・。
太陽は右から出て左に沈みます。北向きが日当たり良く、冬の木枯らしは南から吹きます。当然初日の出は右を見て拝むことになり、慣れるまで頭が混乱しそうです。
それでは良いお年をお迎えください。(この便りは、2004年1月1日に書かれたものです)