最近は、住宅密集地でも煙突をよく見かけるようになりました。
薪ストーブには、生活を豊かにしてくれる魅力が沢山ありますが、一方でデメリットも多いものです。
特に煙の匂いが問題になることが多く、自然に囲まれた場所とは異なる住宅密集地では近隣への配慮が必要です。
何とかなるだろうと楽観視していると後で大変な目に合います。
薪ストーブのデメリットをよく理解し、十分な対策を講じましょう。

近隣への配慮と十分な対策を!
住宅密集地での苦情対策
煙突から出る煙の匂い

薪を燃やすと煙突から煙が出ます。
最近の薪ストーブは、炉に取り付けられた触媒によって煙をほぼ透明に変えることもできます。
しかし、煙が見えなくなっても、匂いは消えません。
乾燥した薪を使えば匂わないと言う人もいます。
けれども、木を燃やした時のいぶったような匂いは必ず漂(ただよ)います。
一方で、匂いは風に流されます。
風下に人が住んでいない田んぼや川があればリスクは低いように思えます。
しかし、私の経験から言えるのは、風下への匂いの心配よりも、無風の日の方が問題なのです。
匂いが残留しますので、近隣から苦情が出る可能性があるのです。
よって、我が家では風の強弱で薪ストーブを焚く日を決めています。
焚き始めた後も時々家の外へ出て、風と匂いの状況を確認します。
今日は、匂いが濃いとか薄いとか。
やはり、風が強い日のほうが匂いが薄まるように感じます。


もうひとつ伝えておきたいことがあります。
薪ストーブを使用する家が近所に多いほうが、薪ストーブを使いやすいということです。
匂いの問題は消えませんが、その責任を複数の家で負いますので、かなり心強い。
家のまわりに煙突が何本あるのかを調べた上で、薪ストーブの導入を検討するというのも賢明と言えます。
薪ストーブを使用する頻度

薪ストーブの匂いは、洗濯物に付きます。
そのため、隣の家が洗濯物を取り込んだ夕方から薪を燃やすようにしていました。
さらに、毎日燃やすと近所迷惑になると思い、燃やすのは土日だけと決めていました。
しかし、何のクレームもなく数年が経つとそんな心配もだんだん薄れてきます。
やがて、毎晩燃やすようになりました。
近隣から苦情が出たのはその頃でした。
やはり、毎日匂うというのは、近隣にかなりのストレスを与えるようです。

しかし、冬の寒い日は、どこの家も窓を閉めてるから、外の匂いはわからないんじゃないの。
そう思われる方もいますが、窓を閉めていても、外の匂いが建物の中に入ってくる家もあるようです。
住宅に義務付けられた24時間換気の給気口から侵入するのかもしれません。
住宅密集地では、薪ストーブを毎日使うのではなく、節度のある頻度で使うように心掛けましょう。
薪を割る音

薪割りは、薪ストーブの醍醐味でもあります。
しかし、斧で薪を割る音が近所迷惑になるケースもあります。
さほど大きな音ではありませんので、心配するまでもないのかもしれません。
普段から近隣と良好な関係を築いていれば、さほど問題にならないでしょう。
煙突掃除でのススの噴き出し

年に一度、煙突の中を掃除します。
屋根の上にのぼるのは危険ですので、煙突下の掃除口からブラシを挿入し、上へ押し上げながら煙突内に付着したススやタールを取り除きます。
注意すべきは、頂部にブラシが達した際に、ススが上から噴き出すことです。
このススが、隣の家の屋根やバルコニーを汚すことがあります。
煙突の掃除をすることを事前に断ってからはじめることをおすすめします。
まとめ
以上、自身の経験より、住宅密集地で苦情になりやすい薪ストーブのデメリットについて説明しました。
対策をまとめると、
・煙が透明になる触媒タイプを選ぶ
・煙の少ない乾燥した薪を使用する
・風が強い日を選ぶ
・近所に煙突が複数あれば心強い
・毎日の使用は控える
・薪割りの音に注意
・煙突掃除時の頂部からのススの吹き出しに注意
となります。
残念ながら住宅密集地での薪ストーブの使用は難しいものです。
一度、隣人から苦情を言われたり、市役所から忠告を受けると、かなり気持ちがへこむものです。
その後、薪ストーブを使いにくくなってしまいます。
日頃から近隣とのコミュニケーションを良くし、迷惑にならない程度に楽しむことをおすすめします。