図面を見て、3次元の建物をイメージすることは、なかなか難しいもの。
しかし、理想の住まいを手に入れるためには、完成形をイメージできなければいけません。
そんな時に役に立つのが、住宅模型です。
住宅模型から、どのようにして完成形をイメージできるのか、実際の模型写真と完成写真を比較することで、検証します。
住宅模型の作り方
3Dよりも、住宅模型
アプリを使った3Dや、VRゴーグルによるリアルなバーチャル体感など、デジタルの進化が凄まじい昨今ですが、私は「住宅模型」をおすすめします。
理由は、住宅模型の方が見え方が現実に近く、素人でも扱いやすいからです。
3Dは、奥行きを正しく表現することが難しいように感じます。
光の明暗やピントの外れ具合で生まれる立体感は、どんなに高度な画像処理を使ったとしてもリアルにはかないません。
また、模型は、見たいところを直感的に見ることができるため、3Dよりも完成形をイメージしやすいと言えます。
住宅模型の縮尺
何を確認するために模型を作るのかによって、縮尺を決めます。
外観であれば、「100分の1」や「200分の1」と、小さい模型でも十分です。
しかし、内観を確認するのであれば、家具なども作成しやすい、やや大きい模型が適当です。
「50分の1」や「30分の1」あたりの縮尺をおすすめします。
住宅模型を小型カメラで見る
内観を確認する場合、屋根が取れるように作り、覗き込む方向を確保します。
外壁を取り外し、アイレベル(目の高さ)から覗くのも効果的です。
ただし、いろいろな部分を取り外しできるように作ると、模型が壊れやすくなってしまいます。
そのため、私は、小型カメラを使った方法をよく使います。
小型カメラは種類が豊富で、数千円程度で購入できるものもあります。
住宅模型の中に置くだけで、完成した建物の中からの見え方を簡単に知ることができますのでおすすめします。
簡単に住宅模型を作る方法
模型は、詳細までを作り込む必要はないと私は考えています。
窓や扉は、カッターで穴を開けるだけ。
枠やガラスは要りません。
模型の作り方も簡単です。
スチレンボードに図面を貼って切るだけです。
貼り付けはスプレー糊(のり)、組み立ては木工用ボンドを使います。
これでも、完成形を十分イメージできる模型になります。
このようにして作った住宅模型と実際の完成写真を後ろの章で比較していますので、そちらもご覧ください。(こちらをクリック!)
住宅模型による検証(何がわかる?)
建物の外観
住宅模型を使って、外観デザインと道路からの見え方を確認します。
道路を歩く人と目の高さを合わせて見ることで、建物の見え方を確認します。
例えば、2階の洗濯物干から洗濯物が見えないか、1階のリビングが丸見えになっていないかなどを確認し、必要に応じて視線を遮る工夫をしましょう。
太陽の光の入り方
住宅模型を作ったら、外に置いてみましょう。
方位を正しく合わせることにより、室内への直射日光の入り方、影になるところを確認することができます。
午前と午後で、光の入り方がどのように変化するのかも確認しておきましょう。
内観の見え方(模型写真と完成写真を比較)
模型の中を覗いたり、小型カメラを置くことにより、内観の見え方を検証します。
例えば、お母さんが1日の中で一番長く居るのはキッチンですから、キッチンから子供部屋やリビングがどのように見えるのかを確認することは大切です。
家具や人を作って模型の中に置くことで、広さや高さがよりわかりやすくなります。
以下に、着工前に作成した住宅模型と、同じアングルで撮影した完成写真を掲載しますので、見比べてみてください。
小型カメラを使うことにより、高い精度で完成イメージを確認できることがわかります。
キッチンからの内観
ダイニングと階段の内観
2階廊下の内観
吹き抜け見上げの内観
今回の模型では実施しませんでしたが、住宅模型で更に出来ることとして、
- 隣の家の写真を模型の横に立てて、互いの窓が見合わないことを確認する。
- 建物の中で豆電球を光らせて、夜景を確認する。
- 色紙を貼り、建物の色を検討する。
などがあります。
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
住宅模型を作れば、誰でも簡単に完成形をイメージできることをわかっていただけたでしょうか。
ここに掲載した模型は、1日で作れるものです。
はじめてでも難しくはないと思いますが、こうした住宅模型を作る専門業者もいますし、ココナラというオンラインフリーマーケットで模型が得意な方に作ってもらうという方法もあります。
費用は、数万円から数十万円ぐらいです。
家の建設費に比べれば安いものですし、建てた後に後悔しないためにも、着工前の住宅模型の作成をおすすめします。