中古マンションのリノベーションでは、「出来ないこと」や「(この機会に)して欲しいこと」があります。
知らないまま、中古マンションを購入したり、リノベーションすると後で後悔することになります。
最低限、この4項目は知っておきましょう。
事前に理解して理想の住まいを手に入れよう。
中古マンションのリノベーションでコンクリート壁は撤去できない
コンクリート壁の確認方法
マンションの場合、住戸内の壁の中にコンクリート壁が隠れていることがあります。
コンクリート壁は、構造上有効な耐力壁が多く、ほとんどが撤去できません。
最近は、空間続きの広いLDKにすることが人気です。
従って、既存の壁を撤去できないとプランの自由度が大きく損なわれます。
そこで、コンクリート壁の有無を事前に竣工図を見て調べる必要があります。
しかし、竣工図にないのに、解体したら出てきたという事例がとても多いのです。
本来は、工事中に追加されたコンクリート壁は竣工図に反映されるべきです。
しかし、その行為を怠り、修正しないままのケースがよく見られます。
となると、現地へ行き、実物を調べるしかありません。
コンクリート壁の見分け方
コンクリート壁の場合、手で叩くと「コツッ、コツッ」という固い音がなります。
一方でボード壁の場合は「ポン、ポン」という空洞内で響く音がします。
ただし、注意してほしいのは、コンクリート壁の上にボード壁を貼ったGL工法です。
GL工法の場合、下地であるコンクリート壁を見過ごしてしまうことがあるのです。
そのため、先の尖ったキリで壁を刺してコンクリート壁の有無を確かめたり、壁の一部を壊して中を見なければ、わからない場合もあります。
もう1つ確認する方法があります。
それは、天井の点検口から中を覗くという方法です。
天井内では、コンクリート壁はむき出しなので簡単に見つけることができます。
中古マンションのリノベーションでの内装制限
マンションの壁及び天井の仕上げは、準不燃材料以上という内装制限がかかる場合があります。
ただし、以下の条件に達していれば、内装制限はかかりません。
例えば、31mを超える高層マンションで、天井の仕上げに木材を張りたくても、準不燃材以上でなければ出来ません。
中古マンションのリノベーションで水回りの位置は変えにくい
マンションを改修する場合、水回りの位置は変えにくいと思ってください。
特に床付近から排水されるトイレ、浴室、洗濯パンは、ほぼ動かすことはできません。
排水は、配管により1/100の勾配で横引きされ、縦の配管に接続されます。
この縦の配管は、下の住戸内を通るため位置を変えることができません。
トイレの位置を、仮に5m動かすと1/100勾配のため高低差50mmが必要です。
後からコンクリート床を50mm下げることは出来ません。反対に50mm上げると段差が付いてしまい使い勝手が悪くなります。
ただし、洗面台や流し台のように、高さが十分あれば床上で横引きができますので、位置の変更は可能です。
横引きの配管は、洗面台下の収納スペースなどを使って隠すような工夫が必要です。
断熱性能を見直そう
2000年4月に施行された「住宅の品質確保の促進に関する法律」に基づき、住宅の性能をわかりやすく表示する「住宅性能表示制度」が始まりました。
これを契機に大手建設会社を中心にマンションに断熱材を入れるようになりました。
それまでは断熱材のないマンションも珍しくありませんでした。
1980年以前は、寒冷地でもない限り、断熱材を入れることはありませんでした。
リノベーションをするなら、断熱材の強化をぜひ検討してみてください。
なぜなら、鉄筋コンクリート造の建物であれば発泡ウレタンと呼ばれる断熱材を駆体に吹き付けるのですが、躯体が露出していないと施工できないからです。
もう1つ断熱性能を高める上で重要な部位があります。
それは窓です。
既存のアルミサッシを撤去するのは難しい工事ですからそのまま残し、カバー工法や二重窓にすることでアルミサッシやガラスの断熱性能を高めましょう。
まとめ
最後まで、読んでいただきありがとうございます。
全3回に分けて、リノベーションのノウハウを紹介してきました。
理解を深めていただけたでしょうか。
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理想の住まいを手に入れるためには、専門の本やサイト、セミナーなどから積極的に情報を収集し、良く知ることが一番大切です。
なぜなら、家づくりの過程では様々な選択があり、正しく判断するためには十分な知識がなくてはならないからです。